真実と事実
「真実を追い求めることなかれ。ただ、事実か否かを見極めるべし。」
…とは、小説めいたものを書こうと思った時に浮かんだフレーズなのだけど、私のポリシーでもある。
「真実」には、意識のベクトルが含まれており、見る角度・立ち位置によって変化する物…と考えている。いわば、主観の上に成り立つ事象。
対して、「事実」は客観の上に成り立つ事象。事実は事実でしかない。故に、見る角度や立ち位置には囚われない。
「歴史」は、過去の積み重ねであり、本来は「変化しない」モノであるはず。しかし、後々に明らかになる事実によって、どれだけの「真実」が塗り替えられてきたか…。
国家間の歴史認識の違いに驚き、戸惑う。そして、国家が歴史の教育をつかさどる難しさと危うさも感じる。
ひとつの事象、あまたの事象において、それらが事実か否か…。途方もない作業を経てようやく、歴史の片鱗が見えてくるのではないかと思う。
…ということで、「真実」という言葉はあまり好きではない。同じ様な理由で、「正義」という言葉もあまり好きではない。