エオルゼア創作怪談『幻想薬』 〜 怪談会2015 お憑かれ様でした!
毎年夏恒例、Masamuneでの怪談会が今年も開催されました!
今回も話し手として参加させていただきましたが…。
いやぁ…すんごい人数でしたね…w
怪談会用LSの加入ログが滝のように流れてくると思ったら、LSの枠(上限128人)が足りなくなってきて、インしてないメンバーを蹴っては新しい人を入れて…というのを繰り返して、なんとかなったようです。あれ、128人以上集まってたらどうしてたんだろうか…w
今年も告知用ポスター作らせてもらったんですが、かなり直前になって慌てて作ってたので、余裕を持った告知が出来ず。さらにブログでの告知も忘れてt…ゲフゲフ
それでもTwitter上での反応は上々で、興味を持たれた方が結構いらしたみたいで安心しました。
で、怪談会当日。
会場についてみたらどんどん人が集まってくる!
他鯖からの来場者も結構多く、見た事のある名前もちらほらと!
今回は私の方からも積極的に挨拶しまくってきましたw
後からTwitterのTL追ってみたら、見つけられなかったのに参加してたって方も結構いてちょっと残念でしたけど、またの機会に突入したいと思います!('∇')ゞ
という訳で、怪談会本番!
話す順はほぼ挙手制だったので、早く楽になりたいがために速攻&全力で挙手し、3番手での披露と相成りました。
他の方の怪談は「ガチ」なモノも多く、結構ガクブルものだったのですが、そのあたりはぱにさんがまとめてくれると思うので、ココでは私の「創作エオルゼア怪談」をご披露したいと思います。
なお、今回の話には「蒼天のイシュガルドメインクエスト」の結構後半で明らかになる事実が含まれていますので、気になる方はメインクエストクリア後にお読みになる事をお勧めします。
あと、イベント中は時間的な制約もあって、なるべく端折れるところは端折っていたので、ココではそのあたりを加筆修正しております。予めご了承ください。それでは、以下が当日に使ったカンペに加筆・修正を加えたものになります。
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/grovel motion
(CV:稲川誰某)
その日はね、自分が担当している仕事が終わらなくて、深夜まで残業してたんですよ…。
同僚は「おつかれさま〜」「無理しないでね〜」なんて言いながら、ひとり、またひとりと帰って行くの。
気が付けば私一人、オフィスにぽつーんと取り残されていたわけ。
人の話し声が聞こえなくなるとね、だんだん周りの音がよく聞こえてくるのよ。
空調のゴーッっていう低く唸る音とか…
壁に掛けてある時計の「チッ、チッ、チッ、チッ…」って感じの秒針の音とかがね…。
そんな音たちが気になって気になって、仕事に集中できなくなって、仕事がなかなか捗らないのよ。
「もうこんな時間…終電は何時だっけな…」
「いいかげん、もう帰りたいなぁ…」
…そんなことを思いはじめた矢先ですよ…。
「…ぴぃ」
「…ぴぃ………ぴぃ…ぴぃ…ぴぃ……」
なんかね、ヒヨコみたいな鳴き声が聞こえてきたような気がするの…。
か細く小さな鳴き声。
でも、ずっと鳴いてる…。
もうね、気味が悪い…。
それでもどこで鳴いているのか気になるので、オフィスを歩き回りながら、耳をあちこちに向けてみたら…
…どうやら、普段は施錠されて誰もいないはずのサーバ室から聞こえてくるみたいなの。
怖いな〜、怖いな〜って思いながら、恐る恐るサーバ室の扉に近づいて中を見てみたら……………
ぎゃあああああああああああああああああ!!!!ヽ(@Д@)ノ
…サーバ室の中にある、UPSのアラームが鳴ってたんですよ…。
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…というわけで、皆さんこんばんは。
『酒倉亭みいな』でございます。('д')ゞ
/grovel motion
本日は噺手としてお招きいただき、ありがとうございます。
今回お話しする創作怪談(というかサスペンス?)は、蒼天のメインシナリオの(確か)後半で明かされる事実が含まれているので、若干ネタバレになるのですが…。まだメインシナリオ終わらせてない方もいらっしゃるようですが、このままネタバレ要素含めたままでオチまで持って行きます。><
ただまぁ、メインシナリオの内容がわかってしまうとかそういうのではないので、あまり影響はないとは思いますが…。それでも気になる方はLSチャット表示をOFFにしておいてください!><
ともあれ、まだ終わってない方には先に謝っておきます!ごめんなさい!
それでは早速、エオルゼアの怪談をお話しいたしましょう。
今回の創作怪談の題名は…
『幻想薬』
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「それじゃ、行ってくるね!」
俺に向かっていつもの笑顔で手を振り、踵を返して足早に駆け出す小柄な彼女。
珍しく晴れたイシュガルドの夕陽が彼女の角や鱗に反射し、表情が光に霞んで見えた。
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「ねぇ、聞いて! 幻想薬を手に入れたの!」
昨晩、普段はおとなしい性格の彼女が、珍しく興奮気味に話していた。
なんでも、自分の容姿を好みに変えられる、それも、性別や種族すらも変えられる「秘薬」が存在するのだそうだ。
高名な冒険者のポストにいつの間にか入っていたとか、どこか異界での取引で手に入れたとか…
そんな噂は以前から聞いていたが、我々庶民には手の届かないモノだと思っていた。
貴重で高価と思われる幻想薬を、どうやって入手したのかは口を濁した彼女だったが…
「これでやっとあなたの顔に近づけるね!」
華奢で小柄なアウラの彼女は、エオルゼアの中では大柄なエレゼンである俺との身長差をいつも気にしていた。それに、イシュガルドでの暮らしの中、まだまだ保守的な地域性から向けられる「よそ者」としての視線も堪えていたようだ…。
俺は昔、そんな閉鎖的な社会が嫌で、故郷のイシュガルドを飛び出し、エオルゼアを放浪しながら様々な無茶をしてきた。蛮族相手にケンカを吹っ掛けた事もあれば、海賊から目を付けられて追いかけまわされた事もある。
自暴自棄ともいえる放浪の旅の中、偶然彼女に出会い、いつしか惹かれあう仲になった。
本当に大切にしたい彼女と一緒に暮らすため、故郷に戻って腰を落ち着けるつもりでいたのだが…。逆に彼女には色々と辛い思いをさせてしまっていたのだろうか…。
そんな複雑な想いが顔に出てしまったのか、彼女は察したようにくるっと背を向け、窓の外を見つめたまま話を続ける。
「幻想薬を使う時はね、一糸まとわぬ姿で一晩過ごす必要があるんだって。
そんな姿で変化していくのを見られるのはさ…ちょっと…恥ずかしいから…。
幻想薬を譲ってくれた人が、一晩の宿も用意してくれたんだ!
だから、ちょっとだけ…一晩だけ…行ってくるね…」
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笑顔で走り去った彼女の後姿を思い返しながら、小柄で可愛いあの姿が、もう、見られなくなる寂しさ。そして、見た事のない容姿で帰ってくる彼女を、すぐ受け入れられるか…。
様々な不安を感じ、思い悩みながら、ベッドに横になり、静かに目を閉じた。
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コンコン…コンコンコン!
強めのノックの音で目が覚めた。
色々思い悩んで寝つきが悪かったせいか、すっかり寝過ごしたらしい。
彼女が帰ってくる予定の時刻はとっくに過ぎていた。
慌てて家のドアに駆け寄り、勢いよく開けてしまった。
「キャッ!!」
あまりの勢いに驚く彼女。
その、目を丸くした彼女の表情を見て、俺もしばし目を丸くして硬直していた。
すらっとした長身の美しいエレゼンに姿を変え、彼女は戻ってきた…。
「ど、どうぞ…」
変によそよそしく対応してしまう自分に違和感を感じつつも、笑顔の彼女を迎え入れた。
居間に入るや否や、彼女が手にしていた布袋から、無造作にワインが取りだされた。
「生まれ変わった私を、お祝いして欲しいと思って…」
「あ、ああ…。そうだな!」
栓抜きとグラスを持ってきてほしいと頼まれたのでキッチンに向かい、いつも二人で使っていたグラスをチョイスする。居間に戻り、小気味よい音でコルクを抜いた直後に彼女が言った。
「そうそう、何かワインに合うものは…ないかしら?」
「ん? ああ、ちょっと探してくる…」
いつもは彼女の領域だったキッチンに戻り、適当な酒の肴を物色する。
当たり前のことだが、容姿だけではなく声も変わっている。
気のせいか、口調まで変わっていないか?
「いや、しかし…本当に…まるで別人だな…」
再び居間に戻り、グラスにワインを注ぐ彼女を見つめながら、ふとつぶやいてしまう。
「うふふふ…そう? でも確かに、自分でもちょっと信じられない感じよ?」
紅いワインが注がれたグラスを差し出され、それを掲げて乾杯をした。
「そ、そうだな……新しい人生に、乾杯!」
その凡庸なセリフを聞いた彼女が思わずクスりと笑い、俺は恥ずかしくなってワインを一気に飲み干した。
紅い液体が喉を通り抜けた後、後味に違和感を感じた。
体が燃え上がるかのように一気に熱くなり、呼吸が苦しくなってきた。
「こ、これは…」
困惑した俺を見た彼女は、グラスをゆっくりまわしながら下品な笑い声をあげていた…。
「あーっはっはっはァ!…胡散臭い商人の話は半信半疑だったけど、こりゃ効果てき面だねぇ!」
「い、いったい何を…お、おまえはっ…! いったい誰だ!!」
ここにきてようやく「彼女」が「別人」だと気付く。
容姿や声が変わったというだけでは納得できなかった違和感が、燃えるような熱い脳の中で一気に氷解していく。
「忘れたとは言わせないよ!…とは言っても、幻想薬で姿が変わっちまったから、わからないかい? アタイだよ!」
続けざまに彼女は…奴は自分の名前を叫んだ。
…それは、ラノシアに滞在していた頃に付き合っていた…いや…遊び半分で付き合いはじめ、捨てるように振った、元女海賊の名前だった…。
振った後もしつこく付きまとわれ、徐々に命の危険を感じるようになり、俺はバイルブランド島から逃げるように去った。そんな昔の出来事を思い出しながらも、ふと重要な事実を思い出す…
「そ、そうだ!彼女は!彼女はどうした!!」
「ああ、あのアウラの娘かい? 幻想薬の話を持ちかけたら、目をキラキラ輝かせてさ、可愛い娘だったねぇ。でも、幻想薬も安いもんじゃないからさぁ、ちょっと支払いの足しになってもらったよ。いやぁ、最初は嫌がってたけど『幻想薬で綺麗な体に生まれ変われるんだから安心しな』って言ってからは文句も言わずに働いてくれてねぇ。憎ったらしいくらいに健気な娘だったよ!」
「なん…だと……!!」
「しかし、あんな下衆な趣味を持った輩がウルダハの有力商人だったりするんだからねぇ。世の中狂ってるよ。まぁ、そのおかげで幻想薬を手にすることが出来たんだから、本当にあの娘と下衆野郎共には感謝しなくちゃね!」
奴はとぼけた調子で話していたが、彼女に何が起きていたかはすぐに察しがついた。ここ最近、彼女が夜遅くや明け方に帰るようになっていたのはそのせいだったのか…。
怒りに駆られて奴に掴みかかろうとするも、足が動かずその場に崩れ落ちてしまった。
奴の表情が一変し、美しい顔をまるで悪魔のように歪め、心臓をえぐるような言葉を投げつけてくる。
「でも…あいつは…アンタを奪った女だからね…
どうしても…どうしても…許せなかった………許せなかったんだよ!!!」
そう言いながら奴は、布袋から何かを取りだし、俺に向けて放り投げた。
それは、根元がどす黒い何かに汚されつつも、見覚えのあるカーブを描く…角…。
「!!!」
怒り、混乱、そして絶望…さまざまな負の感情が一気に湧きあがり、俺の意識は混濁し始めていた。それでも、自由の利かなくなった体で、懸命に、彼女の…愛する彼女の一部に手を伸ばし、俺の胸に引き寄せていた。
「いやー、それにしても、あの子の悲痛な叫び声にはゾクゾクしたわぁ。アタイもちょっと何かに目覚めそうな感じだったかな? アハハハハ!!」
体中が麻痺し、まともに動けない俺を尻目に、奴の話は続く…。
「しかも高くついたのは幻想薬だけじゃないからねぇ。ワインに混ぜてアンタが飲んだもの、何だかわかるかい?」
奴は俺の瞳を覗き込み、ニヤリとしながら言った。
「…竜の血だよ」
「!?」
俺には奴の言っている事が理解できない。
理解できるほどの意識は保てていない。
体中がさらに熱くなり、意識が遠のく中、奴はさらに言い放つ。
「なんでも、竜の血をイシュガルドの民が飲むと、竜の呪いでその眷族に変身するとか?
だけど、実際の所はどうなんだろうねぇ? まぁ、それが本当かどうかはどうでもいいさ。アンタの苦しむ姿を見られればそれでいいんだ!これは復讐だからね!!!」
興奮して言葉を並べたてた奴だったが、すっと落ち着いたように言葉を続けた。
「…とはいえ、昔アンタを愛していたよしみだ…
あの女の事を忘れて、また私と一緒に暮らしてくれるというなら…
この、解毒剤をやるよ…ほら…」
奴はそう言いながら、赤黒い液体の入った小瓶を俺に投げてよこした。
もう、熱さと苦しみで何も考えられなくなった俺は、おぼつかない手で小瓶の栓を抜き、その液体を飲み干した。解毒剤と理解していたのか、それとも本能的にその液体を欲していたのか…もう、わからない…。
奴は肩を震わせて声を押し殺していたようにも見えたが、堰を切ったように笑い始めた。
「あーっはっはっはッ!! いやぁ、こうも簡単に引っかかってくれるもんかねぇ!」
奴の言葉はもう俺の耳には届いていなかった。
ただ、体がさらに熱く、熱く…そして、体が別な「何か」に変化していく感覚が全身を駆け巡った。
「それはさっきワインに混ぜた竜の血、そのものだよ!」
全身が何か別のモノに変貌を遂げる中、薄れゆく意識とは対照的に、ひとつの思いが増幅していった…。
「奴を…奴を…食い……殺す!!!」
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翌日、一連の騒ぎを壁越しに聞いていた隣人の通報により、イシュガルドの憲兵が調査に入った。
そして、まるで獣に食い荒らされたようにバラバラにされたエレゼン女性と思わしき遺体と、口のまわりが血まみれで、アウラの角を握りしめて息絶えたエレゼン男性が発見された。
事件の現場となった居間の家具や壁には、まるでドラゴンの眷族が引っ掻いた爪痕のようなものが多数確認されたものの、結界に守られた皇都にドラゴンやその眷族が現れるはずもなく、また、その目撃証言も得られなかった。
この場でいったい何が起きていたのか、この惨状はどのようにして生み出されたのか、色々な憶測が飛び交いつつも、「謎のバラバラ事件」として、人々の記憶からすぐに薄れゆく出来事となった…。
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…お噺は以上でございます。
皆様も、幻想薬をお使いの際には、十分にお気をつけてくださいまし…。
特に、人から幻想薬を薦められた時には、裏で何を策謀しているのか、注意した方がよいかもしれませぬ…。
そして、幻想薬を使ったというお仲間が現れた時…
中身がすり替わっていないか…疑ってかかった方がよろしいかもしれませんね…クククククク…
ご清聴ありがとうございました。m(_ _)m
/grovel motion
Comments
お憑かれさまでした!
ネタ落ちに振るのかと思わせての本格落ち、アウラの角は
エレ♀が持ってたのかなーとすると切り落としてきたって
ことだよなーとか考えて怖くなりまっした
そして取り急ぎインデックスに追加しておきました!
http://punish14.seesaa.net/article/412449511.html
14時間放送レポートから怪談会のお誘いエントリへのアクセスも
そこそこあったので割と人きてくれるかなーとは思ってましたが
想像の上の上をいってた……
教訓としては次回はLSは新規に作り直す、くらいかなぁ
どうしても足りない、という状況を想定するとクエストNPC
などは避けてsay開催に戻すことも検討しないとかも
投稿者: ぱに | 2015/08/30 18:56
>ぱにさん
お憑かれさまでした!
そしてインデックスまとめお疲れさんです!
怪談はちゃんと怖い路線で行きたいなと思ってたので、しっかり考えました!
…前振りはともかくw
アウラの角って簡単に切り落とせるものかな〜とは思ってたんですけど、まぁ、相手は元女海賊ってことで、きっと斧術は得意なんだろうな〜と…ゴゴゴゴゴゴ
それにしてもホント大盛況でしたね!
LSの上限128ってのがまさか少なく感じてしまうとは…。
SayやYellで迷惑をかけにくく、かつ雰囲気の出る場所があるといいんですけどね…。
ザルの祠とかは…ちょっと遠いかなw
投稿者: みいな | 2015/09/02 01:37